【5月4日 AFP】(一部訂正)英石油大手BPは4日、米南部ルイジアナ(Louisiana)州沖の石油掘削基地の爆発炎上事故による大規模な原油流出事故の対策費は1日あたり600万ドル(5億7000万円)を超えるとの見通しを明らかにした。

 BPは事故後1週間以上にわたりロボット潜水艇を使って、450トンもの巨大なバルブ装置を作動させようと試みている。本来は事故直後にこのバルブが作動して原油流出を防ぐはずだったが機能しなかった。また潜水艇のうち1隻は、原油が漏れ出している3か所の近くに分散剤を直接送り込んでいるが、海面に浮上する原油の量を減らす効果が出ているかは分かっていない。

 同社は2日、海底に穴を掘って特殊な液体とセメントを流し込み、原油流出を恒久的に止めるための掘削作業を開始した。しかしこの作業には約3か月かかるとみられているため、特別に設計した重量65トンのドーム型の鉄製の容器を原油が漏れ出しているパイプにかぶせて原油を吸い込み、海上のタンカーに回収する作業に当面の注目が集まっている。BPは3つのドーム型容器のうち最初の1つの準備を終えており、1週間以内にこのシステムが稼働するとしている。

■カリフォルニア州は開発を凍結

 今回の事故は全米に影響を与えている。米カリフォルニア(California)州は、同州の財政再建の一環として同州サンタバーバラ(Santa Barbara)沖で計画されていた原油開発計画の中止を決めた。(c)AFP