【4月26日 AFP】(写真追加)米国南部の広い範囲で24日、竜巻が発生し、少なくとも10人が死亡、多数の建物が倒壊した。

 竜巻は24日早朝ルイジアナ(Louisiana)州で発生し、隣接するミシシッピ(Mississippi)州を西から東に進んだ。ミシシッピ州の防災当局によると、200棟近くの住宅が被害を受け、少なくとも21人がヘリコプターや救急車で近くの病院に運ばれたという。電力施設も被害を受け広い範囲で停電した。

 竜巻の最大風速は約70メートルに達し、幅1.6キロの範囲の建物を壊しながら移動した。当時ミシシッピ州ヤズー市(Yazoo City)郊外の自宅のポーチにいたという女性は、竜巻が近くの丘から近づいてくるのに気づきあわてて浴室に逃げ込んだという。

 ヤズー市出身のハーレー・バーバー(Haley Barbour)知事は、「神様のおぼしめしで、中心部の人口が多い地域の直撃は避けられた」としながらも、教会を含む多くの建物が被害を受け、2005年に米国南部に壊滅的な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ(Katrina)」を思い出させると涙を浮かべて語った。

 ミズーリ(Missouri)州からフロリダ(Florida)州にかけて広い地域で悪天候となり、ルイジアナ、アーカンソー(Arkansas)、アラバマ(Alabama)州で計20を超える竜巻が発生した。

 州兵が軍用車やヘリコプターで被害が大きかったミシシッピ州ヤズー郡(Yazoo County)などの被災地に向かい、25日に住宅の倒壊現場で生存者を捜索した。がれきの除去が進むにつれて死傷者が増える恐れがある。

 連邦政府と米国赤十字も被災地に救助隊を派遣した。当局はボランティアに食糧と水の配給や、倒れた木や倒壊した住宅のがれきなどの除去を手伝うよう呼びかけている。(c)AFP