【3月31日 AFP】世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)の気象専門家らは30日、太平洋やアフリカ東部に大損害をもたらす気象現象「エルニーニョ現象」がすでに最盛期を過ぎ、2010年半ばには終息するとの予測を発表した。

 WMOのRupa Koumar Kolli氏は「2010年半ばまでにエルニーニョ現象が終息し、熱帯太平洋でほぼ平年通りの気候が回復するという見通しが最も可能性が高い」と述べた。

 エルニーニョ現象は、ときおり発生する自然現象で、太平洋の中部から東部の海水が温められることで、南米からアフリカ東部までの沿岸部で異常気象となる現象。

 WMOによれば、エルニーニョ現象は前年の11月か12月ごろに最盛期を過ぎたとみられるが、影響は4月から6月まで続く見込みだという。

 2月にはフィリピン政府が、エルニーニョ現象による干ばつで、農産物に4億3300万ドル(約400億円)の被害が出るとの見通しを示していた。また、2月に発生した米国での猛吹雪や、ブラジルの熱波、メキシコでの洪水、エクアドルの干ばつなどもエルニーニョ現象が原因とされている。(c)AFP