【3月7日 AFP】チリを訪問中の国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は6日、同国で前月27日に起きた大地震の最大の被災地であるコンセプシオン(Concepcion)や津波被害にあったタルカワノ(Talcahuano)を訪れ、「震災からの復興は困難だろうが、国連はチリの人びとを支えていく」と述べ、復興への協力を約束した。

 チリ大地震の犠牲者数は当初802人とされていたが、一部地域で行方不明者を死亡と報告していたことが明らかになり数値が修正されたため、現在確認されている死者数は452人となっている。チリ当局は6日午後、被災地に発令していた外出禁止令を縮小。また、電力も約80%まで回復した。

 一方、被災地では依然として余震が続き、救助活動にも影響を与えている。余震はこれまでに200回を越え、5日にはマグニチュード(M)6.8、これまでで最大の余震も発生した。

 また、地震によって200万人が家を失ったほか、損壊した住宅も50万戸に上っている。多くの人びとが現在も道路などで生活しており、衛生状態の悪化が懸念されている。

 南米諸国は、チリ大地震の犠牲者を追悼するため、7日から3日間の服喪期間に入る。犠牲者追悼のため、建物の玄関に旗を掲げるという。

 チリは南米諸国の中でも安定した国と考えられてきたが、今回の地震では対応の遅れが指摘され、まもなく退任を控えたミチェル・バチェレ・ヘリア(Michelle Bachelet Jeria)大統領を批判する声が上がっている。

 チリ海軍は5日、地震に際し津波警報を発令しなかったとして、担当部局のトップを更迭した。(c)AFP/Ramiro Pellet Lastra