【3月1日 AFP】欧州西部は2月27日夜からハリケーン級の暴風雨「シンシア(Xynthia)」に見舞われ、28日現在で少なくとも53人が死亡したほか、100万世帯以上が停電している。

 大西洋上からフランスおよびスペイン西岸に向けて吹き荒れる「シンシア」の勢力は、ポルトガルからオランダやドイツ内陸部にまで及んでいる。

 被害が最も大きいのはフランスで、最大風速41.7メートル、沿岸部での波の高さは8メートルに達した。内陸では洪水に見舞われた地域も出ており、自宅の屋根に上って避難する住民の姿も見られた。
 
 仏内務省によると、仏国内でこれまでに45人の死亡が確認された。そのほとんどは、最も被害が深刻な西部バンデ(Vendee)県やシャラント・マリティム(Charente-Maritime)県に集中しており、洪水による犠牲者が多いという。

 フランス以外で死者が出ているのは、ドイツ3人、スペイン3人、ポルトガル1人、ベルギー1人。多くは倒木や崩れた壁の下敷きになるなどして死亡している。(c)AFP/Dave Clark