【2月27日 AFP】(一部更新、写真追加)チリのミチェル・バチェレ・ヘリア(Michelle Bachelet Jeria)大統領は27日、同日午前3時34分(日本時間同日午後3時34分)ごろに発生したマグニチュード(M)8.8の強い地震で、少なくとも78人が死亡したと発表した。

 夜明け前に発生した地震で、首都サンティアゴ(Santiago)の大部分が停電となり、電話もほとんどが通じていない。現地のAFP記者によると、壁や石造建築が倒壊しており、パジャマ姿の市民が路上にあふれ出ているという。

 テレビは、倒壊または激しく損壊した建物や、がれきに埋め尽くされた道路の様子を映し出している。

 市南部は被害が大きいとみられ、市南部の住民によると道路が歪み、橋が損壊しているという。AFP記者は、地震の際に「(建物が)ゼリーのように揺れた」と語っている。M8.8の地震の直後に、M5.6~6.9の余震も続いた。

 米国の太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Warning Center、PTWC)は、全ての太平洋沿岸国に対し「広範な」津波警報を発令した。また、日本の気象庁も、南極を含む広範囲で津波の危険性があると注意をよびかけ、フィリピン当局も同国沿岸の低海抜地域に避難を準備するよう警告。オーストラリアとニュージーランドでも津波警報が発令され、ロシアは危険状況を監視しているとした。

 その後、同国のエドムンド・ペレス・ジョマ(Edmundo Perez Yoma)内相は27日夜(日本時間28日朝)、この地震の死者は少なくとも214人になったと発表した。(c)AFP