【1月20日 AFP】甚大な被害をもたらした大地震から1週間が過ぎたハイチに19日、豪華客船が停泊した。客船の運航会社が同日、明らかにした。

 停泊するのは、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)が運航する、乗客3600人を乗せることができる巨大客船「リバティ・オブ・シーズ(Liberty of the Seas)」。同船は19日夜に、同社のプライベートリゾートがあるハイチ北部ラバディー(Labadee)沖に停泊した。

 ロイヤル社はハイチへの救援資金として100万ドル(約9100万円)を寄付しているほか、同船で支援物資を運んでいる。

 同社はこういう時こそハイチ経済を支え続けなければいけないとの姿勢を示している。その一方で、生存者発見に向けた懸命の救助活動や被災者への支援活動が続けられている中で、美しいビーチを楽しむためにやってくる観光客を受け入れるのは不適切だとする声もあがっている。

 数年前にハイチのリゾート地を訪れたことのある、あるブロガーは「大勢の人が死んだり、のどの渇きに苦しんだりしているところでのんきにハンバーガーを食べるなんて想像もできない」と書き込んでいる。

 ロイヤル社のアダム・ゴールドスタイン(Adam Goldstein)最高経営責任者(CEO)は自らのブログで、「ハイチにいて、現地の露天商や髪結い業の人びと、そしてわれわれの従業員230人のために経済活動を生み出すことは復興の支援になる。どこか別の場所に行ったところで何の役にも立たない」と述べ、ハイチへの客船運航を正当化した。

 ゴールドスタイン氏は「客の圧倒的多数は快適に過ごしており、救援活動にも満足している。さらに、ハイチでの活動を通じて支援活動に貢献できることを喜んでいる」と述べた上で、同社が運航している客船には救援物資がそれぞれ40~60パレット分積んであり、その量を増やせないか検討中だと語った。(c)AFP/Juan Castro Olivera