【12月30日 AFP】フィリピン・アルバイ(Albay)州のマヨン(Mayon)山に、流れ出る溶岩を一目見ようと、数千人の観光客が危険も顧みず押し寄せている。地元当局が30日、明らかにした。

 同州のJoey Salceda知事によると、今月14日にマヨン山の火山活動が活発化して以来、それまでは1日あたり約200人に過ぎなかった観光客が、2400人に急増。地元のホテルは、最安値のホテルも含め、すべて予約で一杯だという。ほとんどの観光客は夜にマヨン山から流れる溶岩を見るため、1泊しかしないという。

 同知事は、「まるでゆっくりと流れ落ちるいん石のショーみたいで、一度見たら畏敬の念を感じざるを得ないだろう」としながらも、多くの観光客がもっと近くで見ようと、マヨン山から8キロ以内に設定されている立ち入り禁止区域に入り込んでいると指摘した。

「危険を顧みない観光客が、地元ガイドとともに立ち入り禁止区域に通じる道を見つけている」(同知事)

 フィリピン軍は28日、前週末に2人の外国人観光客がオフロードカーで火山に向かったことを受け、周辺の警戒を強化した。

 Salceda知事は、溶岩の流れは遅くても、火砕流などの危険性があると訴えている。

 マヨン山のふもとに住む約5万人の住民はすでに安全な場所に避難しており、立ち入り禁止区域への進入を防ぐため検問所が設けられている。(c)AFP