【3月5日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)のスキポール(Schiphol)空港で2月25日に起きたトルコ航空(Turkish Airlines)機墜落事故で、オランダの国家安全委員会は4日、事故は高度計の故障が原因だった可能性が高いと発表した。

 故障した高度計から誤ったデータを受け取った自動操縦装置が、実際には降下中で滑走路まではまだ距離があったにもかかわらず、着陸直前であるかのようにエンジンの出力を絞ってしまった。失速警報が鳴ったが操縦士の対応が間に合わず、機体を上昇させることが出来なかったという。

 当時は天候が悪く、雲が低くたれ込めて霧も発生していたため、乗員らは恐らく地上を確認することができず、気づいたときには遅すぎたのではないかとみている。また、同機の高度計は過去に2度故障していたにもかかわらず、乗員らはそれを軽視していた可能性もあると指摘した。

 国家安全委員会はボーイング社に対し、自動操縦中の高度計故障の危険性について警告し、通常の飛行でも同じ問題が起きるかどうか確認するよう求めたことも明らかにした。

 事故を起こしたトルコ航空のボーイング(Boeing)737-800型旅客機は、乗客127人と乗員7人を乗せ、トルコ・イスタンブール(Istanbul)からアムステルダムに向かっていた。同機の尾翼が地面にぶつかった時の時速は175キロで、機体は大破して3つに分かれた。

 乗客乗員のうちトルコ人5人と米国人4人が死亡、86人が負傷した。4日現在で負傷者のうち28人が入院している。(c)AFP