【2月20日 AFP】山火事で200人以上が死亡する史上最悪の被害を出したオーストラリアの政府は20日、放置すると火が消える「安全たばこ」の導入を前倒しする方向で検討を始めた。

 同国南東部ビクトリア(Victoria)州を中心に今月発生した複数の山火事では、うち1件の火元がポイ捨てされたたばこの吸い殻だったことが分かっている。一連の山火事では208人が死亡し、1万人以上が自宅を失った。

 クリス・ボーウェン(Chris Bowen)消費者問題閣外相は、現在2010年を予定している安全たばこの義務化を、山火事を理由に早める考えを表明。報道官によれば同相は、早期導入の可能性について同国の公正取引委員会に相当する豪競争消費者委員会(Australian Competition and Consumer CommissionACCC)に助言を求めたという。

 安全たばこは、防火処理紙を用い、吸わずに放置すると自然に火が消えるもので、カナダや米国のいくつかの州ではすでに義務化されている。

 ACCCの調査によると、公有地で発生する火災のうち7%はたばこのポイ捨てが原因。また、2000-06年に火災で死亡した人の8%が、たばこに関連しているという。(c)AFP

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