【2月12日 AFP】(写真追加)オーストラリア南東部ビクトリア(Victoria)州で山火事の消火作業にあたっていた消防士が炎の中から救出した雌のコアラ「サム」の映像が、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿され、大きな話題となっている。

 山火事では180人以上の死亡が確認されている。

 消防士デイブ・ツリー(Dave Tree)さんが発見した時、サムはかなりおびえた様子だったという。同僚が携帯電話で撮影した映像のなかでツリーさんは、サムに「あんな山火事を耐えていたなんて、怖かっただろう?」と話しかけている。

 サムがツリーさんにやけどを負った足を支えられながら水をごくごくと飲む姿に、ツリーさんも驚いたという。

 ツリーさんは、2本のボトルからサムに水を飲ませながら、「コアラが、あんな恐怖を耐え抜いたなんて、びっくりだよ」と話す。 

 その愛らしい外見から、テディベアにたとえられることもあるコアラだが、実際は気むずかしい動物で、鋭いつめで深い傷を相手に負わせることもある。

 しかし、サムはそんなコアラではないようだ。ツリーさんの腕のなかで、おとなしく頭を撫でられている。

 こうしたサムの映像は3万を超えるヒット数を記録し、ヘラルド・サンは、サムとツリーさんの写真を売り出した。収益金は地元の消防団に寄付されるという。

 メルボルン(Melbourne)の地元紙「ヘラルド・サン(Herald Sun)」によると、サムは足に重度の火傷を負っているが、野生動物保護施設で手当てを受け、少しずつ回復しているという。(c)AFP