【9月9日 AFP】中国北部山西(Shanxi)省臨汾(Linfen)市陶寺(Taoshi)郷にある塔山(Tashan)鉱区で8日、発生した土石流によって大量の工業用土砂が崩れ、近くの村を飲み込み、住宅などにいた少なくとも34人が死亡した。

 労務安全担当局によると現地時間8日午前8時(日本時間同9時)ごろ、山西省の小さな鉱山町にある鉄鉱石の不法採掘場で、雨によって発生した土石流でくず鉄鉱石置き場の壁が崩れ、土石流ごと市街に溢れ出した。

 鉄鉱石置き場のふもとにあった住宅多数と市場、3階建てのビル1棟が、流れ寄せた土砂と採鉱廃棄物によって破壊された。発生時、付近の市場の露天商や会社員らは出勤したばかりだった。

 数百人が行方不明になっているとみられ、死者の数は今後も増える可能性がある。国営放送による現地からの映像には、完全に汚泥に埋まった街路が映し出された。

 9日も警察、軍、消防隊約1000人が土砂やがれきを掘り出し、生存者の捜索を続けている。当局によると、これまでに確認された死者数は34人、負傷者は35人。行方不明者の数については現地自治体も把握していない。

 香港(Hong Kong)に拠点を置く人権団体「中国人権民主化運動情報センター(Information Centre for Human Rights and Democracy)」が入手した現地情報によると、生き埋めになった人の数は500人に上る可能性もあるという。(c)AFP/Robert J. Saiget