【6月24日 AFP】中国の四川大地震の被災地域で、一帯の広大な竹林が大きな被害を受け、ササを主食とするパンダが深刻な食糧難に直面しているという。

 22日の国営新華社(Xinhua)通信によると、地震の中心的被災地、四川(Sichuan)省にある成都パンダ繁育研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding Research Base)では、飼育する67頭のパンダにササの葉を制限せざるをえなくなっている。

 5月12日に発生した大地震では、約9万人が死亡あるいは行方不明となったが、深刻な被害が及んだのは人間だけではない。研究基地周辺の5地域の竹林も壊滅し、その結果パンダの主食であるササの葉の供給も激減した。

 同基地のジャイアントパンダの成獣の排せつ物量は、通常は平均で1日合計10キロ程度だが、現在は2キロにまで落ち込んでいる。新しいササの葉が育つまで、基地の飼育係はパンダたちに家畜用資料や果物などを与えているというが食糧不足のまま、パンダがよりたくさん食べる必要のある繁殖期に差し掛かりつつある。
 
 四川大地震の被害を受けた地域には、中国全体の野生のジャイアントパンダの約88%を占める約1400頭が生息しているという。(c)AFP