【6月14日 AFP】(一部更新、写真追加)14日午前8時43分に発生した岩手・宮城内陸地震で、死者は6人、負傷者は100人以上にのぼった。キャンプをしていた外国人3人など、12人が行方不明になっている。また、同地の温泉を訪れていた旅行客が、土砂崩れで破壊された建物に取り残されている。

 今回の大地震はマグニチュード7.2を記録。地震の揺れは、震源地から約500キロ南の東京でも感じられ、余震も100回ほど起きている。

 東京電力(Tokyo Electric Power)の福島第二原子力発電所の廃棄物貯蔵プール周辺では、放射能が含まれた水が確認されたが、同社によると水に含まれる放射能量は微量で、外部に影響を与えうる水準を大きく下回っているという。

 地震が直撃した宮城県の栗原市栗駒では、土砂崩れで温泉施設「駒の湯温泉」の建物が破壊され全壊した。警察によると、5人が救助され、うち2人が骨折。現在も数人が行方不明となっているという。

 14日午前、都内で緊急記者会見を行った町村信孝(Nobutaka Machimura)官房長官によると、死亡したのは落石に巻き込まれたダムの建設作業員の男性(48)、釣りをしていた際に土砂崩れに巻き込まれた男性(55)、地震の際に建物を飛び出してトラックにはねられた男性(60)の3人。被害者数は今後、増加する可能性もある。

 福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は記者団に対し、人命救助が最優先で、救助作業に尽力すると述べた。政府は、救助活動を支援するため岩手・宮城両県に自衛隊員約800人を派遣。泉信也(Shinya Izumi)国家公安委員長兼防災担当相も空路で現地に向かった。

 その後、栗原市消防本部は、捜索を行っていたヘリコプターが山中で1人の遺体を発見したことを明らかにした。現在遺体を搬送中で、犠牲者の身元はまだ分かっていないという。また、作業中に土砂崩れに巻き込まれ生き埋めになった建設作業員3人のうち、53歳と54歳の2人の死亡が確認された。

 NHKは、負傷者が162人に達したと伝えた。地滑りで道路下に転落したバスの乗客17人も含まれるという。岩手県奥州市では、保育園で5人ほどの園児が割れたガラスで切り傷を負った。

 地震発生直後には、岩手・宮城両県で2万戸以上が停電となった。予防措置として新幹線も運行見合わせとなり、立ち往生した列車の乗客約2000人は徒歩での避難を強いられた。

 国土交通省は土砂崩れで川がせき止められてできた「せき止め湖」を5か所前後確認したと発表したが、中国の四川大地震でできた同種のもののような大きな危険はないとしている。(c)AFP/Kyoko Hasegawa