【5月28日 AFP】中国当局は27日、四川大地震で起きた土砂崩れで川がせき止められたことで出現したせき止め湖の決壊の危険性が高まったため、周辺の住民8万人に避難を指示した。

 当局の最緊急課題の1つに、地震発生後に出現した35のせき止め湖のうち、危険性の最も高い唐家山(Tangjiashan)のせき止め湖の決壊を阻止し、約130万人が居住する地域の浸水を防ぐことが挙げられる。

 兵士らは湖の水位を下げるため、川をせき止めているがれきをダイナマイトで爆破して水路を築こうとしているが、水量は1億3000万立方メートルにおよぶと見られている。

 こうした中、北川(Beichuan)県からすでに約7万人が避難したが、中国国営メディアによると、救助作業員は27日深夜(日本時間28日午前1時)までに「地震湖」とも呼ばれるせき止め湖周辺の住民を退避させたいとしているという。

 依然として不安を抱える四川省では、同日もマグニチュード5.4の強い余震が起き、省都の成都(Chengdu)でも揺れが感じられた。約30分後には、隣接する陝西(Shaanxi)省でもマグニチュード5.7の余震が起きた。

 新華社によると、この余震で四川省青川(Qingchuan)県では家屋42万戸が倒壊し、63人が負傷、うち6人は重体だという。(c)AFP/Lynne O'Donnell