【5月6日 AFP】2日夜から3日にかけて大型サイクロン「Nargis」が直撃し、1万人を超える死者が出ているミャンマーで、国営ラジオが6日、衛生に注意するよう被災者に呼びかけた。

 Nargisは、ミャンマー南西部のエヤワディデルタ地方や中心都市ヤンゴン(Yangon)に大きな被害を与えた。人口600万人のヤンゴン市民の多くは、飲料水や電気が止まった状態で被災後4日目を迎えた。市内の通りにはゴミやがれきが積み重なっている。

 国営ラジオは人びとに対し「煮沸した水を飲み、虫や動物を食品に近づけない」ようにして、自らの健康を守るよう求めた。また、新鮮な果物を食べ、清潔なトイレを使用し、ゴミはきちんと集め、蚊やヘビにも注意するよう訴えた。さらに健康上の問題があれば、すぐ病院に行くことを勧めている。

 だが、2400万人の被災者の多くは、健康問題にまで手がまわらない状態だ。人口の多いデルタ地域は依然として冠水しており、道路が不通になっているうえボートも破壊されたことで交通は遮断されている。このため食料品などの輸送が困難になっており、前週末から価格が3倍になっているという。

 また、同国で最も重要なヤンゴン総合病院(Yangon General Hospital)も被害を受け、特にがん病棟や心臓外科病棟が大きな被害を受けたという。ミャンマーの医療制度は、数十年にわたり軍政が不適切な管理をしてきたことから、サイクロン被災の前から劣悪な状態にあるといわれてきた。(c)AFP