【5月4日 AFP】(5月5日 一部更新、写真追加)ミャンマーを2日夜から3日にかけて大型のサイクロン「Nargis」が直撃し、少なくとも351人が死亡、約10万人が家を失った。国営テレビ「MRTV」が4日、報じた。

 MRTVが報じたところによると、Nargisが最初に直撃したエーヤワディー(Ayeyawaddy)管区の南西沖のHaing Gyi島で109人が死亡し、また同管区のNyaung Doneでも1人が死亡したという。

 これに先立ち、同国情報省と国営メディアは、ヤンゴン(Yangon)管区で19人、エーヤワディー管区で222人が死亡したと発表していた。

 Nargisは2日夜、ミャンマーの経済的中心地であるヤンゴンから約220キロメートル南西のエーヤワディー川河口に上陸。その後、ヤンゴンを直撃し、建物の損壊や街路樹を根こそぎ倒すなどの被害を出した。

 ヤンゴンではサイクロンが接近した2日夜から停電し、電話なども使えなくなっている。ミャンマー国内のほとんどの通信が止まっており、給水にも影響が出ている。ヤンゴンの周囲に広がる貧困地区にも大きな被害が出たのではないかと懸念されている。

 ミャンマー南部から中央部にかけてのヤンゴン、エーヤワディー、バゴー(Bago)の3管区と、モン(Mon)、カレン(Karen)の2州が被災地域に指定された。特に被害が大きかった地域では、警察と軍が復旧に当たっている。

 ミャンマーでは1990年の総選挙後初めての投票となる新憲法の是非を問う国民投票が5月10日に予定されているが、サイクロンによる影響があるかは現時点では分かっていない。

 タイの気象庁は3日、Nargisは低気圧になったと発表したが、ミャンマー国境からタイに向かって移動を続けており、タイの北部、中部、東部で引き続き大雨と鉄砲水に警戒するよう呼びかけている。(c)AFP