【11月26日 AFP】台風23号(ミートク、Mitag)が直撃したフィリピン北部では26日、厳戒態勢が敷かれている。この台風によりフィリピンでは少なくとも7人が死亡、数万人が自宅からの避難を余儀なくされており、最近では最大規模の避難となっている。

 ルソン(Luzon)島北部のイサベラ(Isabela)州では25日遅くに地すべりが発生した。台風23号による強風と豪雨のため、州内各地で電線が切断されているほか、広範囲で洪水が起きている。

 フィリピン沿岸域では、台風24号(ハギビス、Hagibis)が再上陸し、東部沿岸に接近している第3の熱帯低気圧と合流すると予測されており、今週いっぱい全土で悪天候が予想されている。

 台風24号は死者10人を出した後、20日に東シナ海へ抜けたが、最新の気象情報では進路を元へ戻し、26日深夜から27日未明にかけてフィリピン西部のパラワン(Palawan)州を襲うと見込まれている。最大瞬間風雨即170キロの勢力で、ルソン島北部ツゲガラオ(Tuguegarao)北西40キロ付近を通過した。大木はなぎ倒され、島民らが住宅としている小屋も吹き飛ばされ、農業に大きな被害が出ていると気象局では報告している。

 フィリピン軍の災害対策当局によると、厳戒態勢で部隊が動員されており、全部隊には被災者救援のために取りうるすべての予防手段や対策が命じられている。また、フランシスコ・デュッケ(Francisco Duque)保健相は被害者数の増加に備え、国立病院すべてに24時間体制を命じた。

 農業省では収穫高へは170万ドル(約1億8500万円)超の損失が見込まれるとしているが、年間生産高の下方修正が必要な程度にはまだ達していないという。フィリピン国家食糧庁では主食であるコメを国内各地に備蓄しているため、コメ不足を避ける準備はできているとしている。(c)AFP/Jason Gutierrez