【9月16日 AFP】インドネシア保健省は15日、スマトラ(Sumatra)島を12日に襲った強い地震とその後の余震による死亡者数が15日までに23人に上ったと発表した。負傷者数は88人に達しているという。また、関係当局の集計によると、全壊または損壊した建物は1万5000棟を超えている。

 地震による精神的ショックを受けた生存者らは恐怖のあまり、自宅へ戻ることができない状態となっている。救助隊員らは引き続き、倒壊した建物の下敷きになっていると見られる犠牲者の捜索にあたっている。

 ブンクル(Bengkulu)州災害救援センターのBowo Santoso氏によると、同州内では民家約2000棟が全壊、約4000棟が深刻な被害を受けている。また、地元の病院や診療所の建物90棟も損壊したという。

 一方、西スマトラ(West Sumatra)州災害救援センターのSuryadi氏は、同州内では、倒壊、または居住が不可能なほどの被害を受けた民家は9700棟以上に上ると語っている。さらに、100棟以上のモスクや、約20棟の学校建物が損壊したという。

■支援物資が届かない地域も

 多くの被害地域に向けて救援物資が送られているが、生存者のもとに物資が届いていない地域もある。

 スマトラ島パダン(Padang)の当局者は、地震による甚大な被害を受けて小規模な津波にも見舞われた同島沖のムンタワイ(Mentawai)諸島へは、戦術輸送機「ハーキュリーズ(Hercules)」が救援物資の投下を試みる予定だと語っている。

 だが、同諸島に属するPagai Utara島の当局者、Frans Karel氏によると、依然、救援物資は届いておらず、多くの住民らは、高台に避難している状態だという。同氏はAFPに対し「まだ救助物資が届いていない。すべての売店が倒壊し、食料の在庫がぬれてしまった。島の海岸線沿いに建っていた民家の約75%が大きな被害を受けて倒壊した」と語った。

 また、ブンクル州北部のムコムコ(Mukomuko)県では、住民らが支援の必要性を訴えている。ある住民はAFPに対し「衣類はあるが、米と灯油がない。生活必需品を買いたくても、売ってくれる人がいない」と語った。

 12日の地震や、その後の余震による被害の規模は、当初懸念されていたものよりも小さく、国連(UN)は、復旧作業のために国際援助活動を行う必要はないと語っている。(c)AFP