【8月21日 AFP】ハリケーン「ディーン(Dean)」が19日に通過して一夜が明けたジャマイカでは、各地でなぎ倒された木やちぎれた電線が散乱し、後片付けやライフラインの復旧作業が行われている。

 ジャマイカ全土の電話と電気の完全復旧はまだだが、首都キングストン(Kingston)では20日、水道が徐々に復旧しつつある。また、有数の観光地モンテゴベイ(Montego Bay)の国際空港が同日再開された。

 キングストンの道路は、倒木や板やトタン屋根が散乱しており、飛ばされて破壊されたボートの残骸も見られる。一部の道路は通行不能になっており、低地の道路は依然として冠水している。そんな中、キングストンの国際空港に通じる道路の整備が急ピッチで行われている。

 関係当局によると、3000人以上が依然140か所の避難所で暮らしており、家を失った人々が避難所の外にもあふれている状態という。

 ただ、このハリケーンによる犠牲者は1人にとどまり、観光スポットのモンテゴベイやオーチョリオス(Ocho Rios)はほぼ無傷だった。住民らは被害が予想外に少なかったことに安堵している。

 自然災害のリスク診断を行うAIR Worldwide社は、ジャマイカにおける「ディーン」の損失保証額を、予想をはるかに下回る15億ドル(約1730億円)と見積もっている。

 ポーシャ・シンプソンミラー(Portia Simpson Miller)首相は19日、国内で複数の略奪行為が報告されたとして非常事態宣言を出したが、警察では事態は収拾できたとしている。(c)AFP/Anthony Foster