【8月7日 AFP】モンスーンによる豪雨で甚大な被害を受けている南アジア各地では、軍などによる救援活動が続いているが、食糧と水の不足が深刻になっている。

 インド、バングラデシュ、ネパールでは、6月以降続く雨により過去数十年で最大規模の洪水が発生。1600人以上が死亡、3100万人が避難生活を余儀なくされている。

 このうち最も被害の大きかったインドのビハール(Bihar)州では、6000以上の村が浸水し、被災者は1150万人に上るという。現在は水が引きつつあるが、孤立した避難民の食糧不足が問題となっている。現地では救助隊や軍による救援活動が続けられているものの、ヘリコプターから投下された支援物資が濁流に飲み込まれることもあるという。

 また、州都パトナ(Patna)から北に150キロのSamastipur地区では、6日午後、ガンジス川(Ganges)で約100人が乗った船が転覆。11人が救助され、1人の遺体が収容されたが、残りの乗客の生存は絶望的と見られている。ガンジス川は連日の雨で増水していた。

インドではこれまでに1258人が死亡し、当局は伝染病の発生を警戒している。バングラデシュでは今回の水害による死者が282人に達し、約900万人が避難している。ネパールでは6月以降、土砂崩れと水害により少なくとも91人が死亡した。ネパール政府によれば雨がやみ始めた6日には避難していた住民の一部が自宅に戻り始めたという。(c)AFP/Pratap Chakravarty