【7月30日 AFP】モンスーンによる集中豪雨とヒマラヤ山脈からの雪解け水がバングラデシュ北部を直撃、29日までに少なくとも20万人が孤立した。バングラデシュ国営通信BSS通信が伝えた。

 同通信によると、主要な河川の堤防が決壊、北部の低地帯が浸水したことを受け、同国軍が住民の避難誘導と救援物資の配給を開始した。

 これまでに10人がおぼれたりヘビにかまれたりして死亡したとの報道もあるが、確認はとれていない。前月、ベンガル湾(Bay of Bengal)に面する同国南東部の都市チッタゴン(Chittagong)では、豪雨による地滑りで少なくとも126人が死亡している。

 政府の気象予報当局は、モンスーンによる集中豪雨とヒマラヤ山脈からの雪解け水が、同国を流れるガンジス(Ganges)川とブラマプトラ(Brahmaputra)川に流れ込み、両河川の水位が最高に達すると予想されるため、状況は今後数日でさらに悪化する可能性があるとしている。ブラマプトラ川は現在すでに、警戒水位を少なくとも25センチ上回っているという。

 バングラデシュには230本の河川が縦横に流れており洪水が頻発、少なくとも毎年国内の5分の1が浸水している。2004年7月および8月に発生した洪水では700人以上が死亡、国土の38%が浸水、数百万人が避難を余儀なくされた。(c)AFP