【タリン/エストニア 30日 AFP】エストニアの首都タリン(Tallinn)沖のバルト海は例年、新年を迎えるこの時期に海面すべてが凍りつくが、今年は珍しく氷のない状態が続いている。バルト海に面する北欧の人々にとっては、めったにない年越しとなりそうだ。
■年内凍結の可能性は残る
小さな氷ならバルト海では珍しくないが、一面に氷が張るのはエストニアのParnu 湾と、フィンランド、スウェーデン間のボスニア湾だけ。
エストニアの海洋研究者Tarmo Kouts氏によると、バルト海に氷がないまま新年を迎えるのは極めて異例なことだという。 2005年末と比較すると、Parnu 湾の水温は摂氏1度くらい高い。
同氏は「現在、水温は1度で、凍結の一歩手前の段階ではある。凍結するには、少なくとも1週間は氷点下になる必要があるが、気象情報にれば、新年もこのまま穏やかな気温が続くようだ」と述べる一方、「氷点下の日がこのまま10日目を迎えれば、沿岸部は凍結するだろう」と、あくまで年内の凍結の可能性を主張する。
また、近年の温暖化の影響により各地では暖冬を迎えているが、Kouts氏はこのまま温暖化傾向が続くとは限らないと指摘する。
1980年代後半から90年代前半にかけて、4年連続で異例の暖冬を迎え平年の気温を上回ったが、2002年、2003年は逆に厳冬に転じ、平年を下回っているためだ。
■「凍らないバルト」海の漁業への影響は
また、たとえバルト海が凍結しなくても、植物や魚などを脅かすことはないという。「5度以下で上下している限りは、水生生物に悪影響を及ぼすことはない」
だが漁師達にとっては、頭が痛い。料理をしても煮崩れしない身がしまった魚を好むエストニア人は、エサを過剰摂取して太りすぎた魚を嫌うからだ。
エストニアの人々がバルト海の凍結を待ち焦がれる中、北部の川で28日、薄く張った氷の上で遊んでいた子ども2人が溺死している。
写真は29日、タリン近郊の凍っていないKopli湾を泳ぐ白鳥。(c)AFP/RAIGO PAJULA
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