【9月16日 AFP】昨年、カナダ・トロント(Toronto)の家具販売大手イケア(IKEA)の店舗で、おしゃれなジャケットを着て駐車場をさまよっているのが見つかり世界中の注目を集めたニホンザルについて、オンタリオ(Ontario)州の控訴裁判所は13日、返還を求めていた飼い主の訴えを棄却した。

 飼い主のヤスミン・ナクダ(Yasmin Nakhuda)さんは、ニホンザルの「ダーウィン(Darwin)」は自分にとってわが子同然だとして返還を求めていたが、マリー・バリー(Mary Vallee)裁判官は、「サルは子供ではない」としてこの訴えを棄却。「サルは野生動物。ナクダさんのもとからサルが離れた時点で、所有権は消滅する」と指摘した。

 ダーウィンは昨年12月、ナクダさんがイケアで買い物をしている最中に、鍵がかけられた車両内のケージから脱走。その際、羊皮製のジャケットを着て駐車場をさまよっている様子が動画に捉えられ、インターネット上で一躍有名となった。

 ナクダさんは、珍しい動物を取り扱う「怪しげな業者」からダーウィンを5000カナダドル(約48万円)で買いとったという。ネット上に投稿された動画の中でナクダさんは、ダーウィンのおむつを交換したり(裁判所文書には「ダーウィンはおむつが嫌いだった」と書かれている)、一緒に歯磨きをしたりしている。(c)AFP