【8月29日 AFP】中国南部・福建(Fujian)省のショウ州(Zhangzhou)で28日、土地開発をめぐって争いになっていた民家の女児(3)が、建設業者のブルドーザーにひかれて死亡する事件が起きた。

 父親が29日、AFPに語ったところによると、女児は28日、自宅に隣接する土地を「強引に平らにならそうとしていた」建設業者を一家総出で阻止しようとしていた際にブルドーザーにひかれた。業者は最終的には、この一家の自宅も開発対象として潰す計画だったという。父親が開発業者の1人に「人の命と土地の獲得とどっちが大事だ」と詰め寄ったところ、「土地獲得のほうがずっと大事だ」と答えたという。

 一家は女児の遺体を抱いて地元の行政当局に陳情に行ったという。中国のマイクロブログサービス「新浪微博(Sina Weibo)」には、ひどい擦り傷を負い、頭から血を流した女児が政府のオフィスとみられる部屋のテーブルの上に横たえられている写真が投稿された。

 一家は所有する土地の開発をめぐり、立ち退き料を求めて交渉中だったという。しかし、地元当局と警察は、一家の土地は開発対象ではなく、女児が建設現場に入り込んで遊んでいた際に起きた事故だったと主張している。

 中国では、猛烈なスピードで市街化が進む中で土地争いが相次いでおり、死者が出る事態にも発展している。(c)AFP