【8月22日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」に膨大な米軍機密情報を漏えいした罪に問われた米陸軍上等兵ブラッドリー・マニング(Bradley Manning)被告(25)に対し、米軍法会議は21日、禁錮35年の量刑を言い渡した。

 この事件は、米国史上最大の国家機密漏えいとされている。検察側は禁錮60年を求刑していたが、下された量刑はこれの半分を少し上回るにとどまった。

 米メリーランド(Maryland)州フォートミード(Fort Meade)で開かれた軍法会議の法廷に、同被告は真っ青な顔をして出廷した。

 軍法会議の裁判官デニース・リンド(Denise Lind)大佐による量刑言い渡しは2分とかからずに終了。その中で大佐は、マニング被告は上等兵から二等兵に降格された後、不名誉除隊処分となる、と述べた。

 軍法下では、マニング被告は刑期の3分の1を終えたところで仮釈放の資格を得るが、既に3年以上勾留されているため、計1293日の刑期が短縮され、9年後には仮釈放される可能性がある。

 市民的自由を擁護するグループは判決を非難したが、ウィキリークスは「大きな戦略的勝利」として歓迎した。

 マニング被告はアフガニスタンやイラクでの米軍事作戦に関する数十万点の機密文書を漏えいした罪を認め、先月にスパイ行為などの罪で有罪判決を受けていた。検察側は、機密情報を盗みだそうともくろむ者たちへの警告になるとして、より重い量刑を求めていたが、弁護側は被告が自らの行為を後悔しており、裁判にも協力してきたとして、被告はいつの日か自由になり家庭を持つに値する人物だと主張していた。

 また、量刑審理で証人として出廷した専門家は、マニング被告には性同一性障害があり、自分の性別について悩んでいたため、事件を起こした当時には多大なストレス下にあったと証言していた。(c)AFP