【8月13日 AFP】ニューヨーク(New York)の連邦地裁は12日、ニューヨーク市警(New York Police DepartmentNYPD)が採用した職務質問の手法「ストップ・アンド・フリスク」(制止と身体検査)が、合衆国憲法に違反するとの判断を下した。同市警が不審者とみなした人物を路上で呼び止め身体検査を行うこの手法は、市内における犯罪発生率の低下に貢献したとみなされている。

 連邦地裁のシーラ・シェンドリン(Shira Scheindlin)判事は、判決文で「ストップ・アンド・フリスク」が、不合理な捜索および拘束から保護される権利を定めた憲法修正第4条に違反していると述べた。この判決は1970年代以降、麻薬絡みの暴力が市内で蔓延したことから、犯罪行為を抑え込むために「ストップ・アンド・フリスク」が必要だったと主張していたマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)ニューヨーク市長と同市警にとって痛手となった。

 2004年1月から2012年1月までの期間で、ニューヨーク市警が犯罪への関与を疑って個人を短時間拘束した例440万件のうち、対象となった人種の内訳は、黒人が52%、ヒスパニックが31%、白人が10%だった。

「ストップ・アンド・フリスク」に対し、連邦政府の監視を求めて集団訴訟を起こしたNPO「憲法権利センター(Center for Constitutional RightsCCR)」は同日、声明を発表し、「今日の判決はニューヨーク市民すべてにとっての勝利だ。現市長体制下で行われた500万回を超える『呼び止め』のうち、数十万回分は違法で差別的なものだった。ようやくニューヨーク市警が責任を取るときが来た」と述べた。(c)AFP