【8月7日 AFP】中国で出産を扱った医師に売られたらしい男の赤ん坊が、両親の胸に戻ってきた。同国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が6日、伝えた。同国で横行する児童人身売買の現状を浮き彫りにする事件だ。

 同紙が報じたところによると、北西部の陝西(Shaanxi)省で男児の分娩を担当した医師は先月、複数の重い先天性疾患があるため、男児を手放すよう両親を説得したとされる。

 この事件に関連し、同医師を含む3容疑者の身柄が拘束され、男児は同国中部の河南(Henan)省の農業従事者宅で警察に発見されたという。同省ではさらに3人の容疑者が拘束された。

 男児は5日、陝西省で両親と再会を果たしたという。さらに同紙は河南省の警察関係者の話として、この農業従事者には3人の娘がおり、容疑者らからこの男児を6万元(約96万円)で買い取ったとも伝えている。同紙はまた、同じ医師に新生児が病気だとだまされ、子どもを取り上げられたとの警察への通報が、陝西省の他の7家族からあったとも付け加えている。

 中国では、児童の人身売買が深刻な問題となっており、その原因の一つには同国の「一人っ子政策」があるとみられている。この政策のため、同国では男児の方が重視され、女児は時に売り飛ばされたり、捨てられたり、養子に出されたりすることがあるとされる。(c)AFP