【7月30日 AFP】米連邦捜査局(FBI)は29日、全米76都市で児童売春の一斉摘発を行い、性的虐待を受けていた未成年者105人を保護し、売春あっせん業者150人を逮捕したと発表した。

 FBI犯罪捜査部門のロナルド・ホスコ(Ronald Hosko)次官によると、保護された児童の大半は13~16歳。捜査は、地元当局や連邦当局の他、全米行方不明・被搾取児童センター(National Center for Missing and Exploited ChildrenNCMEC)も協力して行われた。

 3日間にわたって行われた「クロスカントリー作戦(Operation Cross Country)」と呼ばれる今回の一斉摘発について、NCMECのジョン・ライアン(John Ryan)最高経営責任者(CEO)は、「米国でいかに多くの子供たちが日々、性行為のために売られているかを示すもの」と述べている。未成年売春の多くは、インターネット上で取引されていたという。

 サンフランシスコ(San Francisco)では、12人の児童が保護され、17人の業者の身柄が拘束された。デトロイト(Detroit)では、FBIの捜査班が10人の児童を保護、18人の業者を拘束した。アトランタ(Atlanta)では2人を保護し、17人を拘束した。

 一連の摘発ではまず、トラックの運転手などが利用するサービスエリアや、カジノの他、出会い系ウェブサイトやエスコートサービスのサイトなどを対象にした捜査が行われた。拘束された容疑者たちからの情報により、州をまたいだ大規模な売買春ネットワークが明らかになることも多かったという。

 クロスカントリー作戦は、FBI が2003年に開始した特別合同捜査の一環。これまでに全米で性的に搾取されていた2700人の児童が保護され、摘発された1350人に有罪判決が言い渡されている。

 同作戦に関わったFBI捜査官によると、児童売春の被害者らは、家庭の問題などを抱え、心の空白を満たそうとして売春に関与するようになることが多いという。(c)AFP