【7月5日 AFP】アフガニスタンで4日、著名な女性警察官が、武装集団の銃撃を受けて死亡した。同国で公の役職に就き活躍する女性たちが直面する脅威が、改めて浮き彫りとなった。

 死亡したのは、イスラム・ビビ(Islam Bibi)警部補(37)。社会で活躍する女性の代表的存在とされていたが、それを快く思わない人々からしばしば殺害の脅迫を受けていた。ビビさんの実の兄弟も脅迫者の1人だった。

 同国南部ヘルマンド(Helmand)州の州政府当局者がAFPに語ったところによると、ビビさんは4日朝、息子に職場まで車で送ってもらっている途中に、身元不明の集団からの銃撃を受けた。重傷を負い、病院に搬送されたが、救命治療を受けている最中に死亡したという。息子も負傷した。

 3人の子を持つビビさんは、抑圧的なタリバン(Taliban)政権が2001年に崩壊して以降、改善されてきた女性の社会進出の機会を体現する存在とみなされていた。米国の支援を受ける現政権へのイスラム主義勢力の襲撃が相次ぐヘルマンド州で、最も高い地位に就いた女性警察官として活躍してきた。

 ビビさんは今年行われた英紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)とのインタビューで、「兄弟も父も、姉妹たちも全員が私に反対している。実は、私の兄弟は3度、私を殺そうとした。彼は拳銃を振りかざしながら、私に(警察官を)辞めろと命令してきた。実際に発砲はしなかったけれど。彼は後に政府から拳銃を取り上げられた」と語っている。(c)AFP/Mamoon Durrani