【6月25日 AFP】米国家安全保障局(NSA)による市民監視プログラムの存在を暴露し、スパイ行為などの罪で訴追されている米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)は25日の香港紙に掲載されたインタビューの中で、米政府の監視プログラムに関する情報を集めることを明確な目的として、政府の仕事を請け負っている米防衛関連企業の仕事に就いたことを明らかにした。

 インタビューは香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が今月12日に行ったものだが、記事はスノーデン元職員が香港から露モスクワ(Moscow)へ出発した後の25日になって掲載された。現在、米高官らは怒りを露わにしながら、ロシアにスノーデン元職員の身柄引き渡しを要求し、またスノーデン元職員を出発させた中国を非難している。

 インタビューの中でスノーデン元職員は、政府の仕事を請け負っている米防衛関連コンサルティング企業のブーズ・アレン・ハミルトン(Booz Allen Hamilton)に加わったのは、NSAの極秘プログラムの詳細をメディアに発表するため、証拠を集めることが目的だったと告白している。元職員は「ブーズ・アレン・ハミルトンでは、NSAがハッキングした世界中のコンピューターの一覧を入手できる立場にあった。だから、3か月ほど前にその職を引き受けた」と述べている。

 また米政府による監視の証拠を集めるために特に狙ってブーズ・アレン・ハミルトンへ行ったのかとの質問には、「ブーズに関してはそうだ」と答えている。

 米当局によるインターネットと電話記録の監視プログラムの詳細をスノーデン元職員が暴露した後、ブーズ・アレン・ハミルトンは社内の倫理規定に違反したとして元職員を解雇している。IT技術者の元職員は、NSAの極秘コンピューター・ネットワークの維持を補佐する役として雇用され、ハワイで勤務していたが、ハミルトン社から監視プログラムに関する大量の機密書類を持ち去ったとされている。

 5月20日にハワイから、中国の特別行政区である香港へと向かったスノーデン元職員は、香港で米政府の極秘情報収集プログラムに関する詳細を世界の報道機関にリークした。現在、エクアドルへの亡命を求めている。(c)AFP