【5月2日 AFP】南太平洋パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill )首相は1日、暴力犯罪の撲滅には厳罰が必要だとして、死刑の復活や強姦(ごうかん)罪への終身刑の適用など、現行法を改正する方針を閣議決定したと発表した。また、物議を醸していた魔術の使用を禁じる「魔術法」を廃止するほか、麻薬やアルコール絡みの犯罪を厳罰化するという。

 今回の法改正の焦点は、これまで国家反逆罪、海賊行為、故意の殺人に限られていた死刑の適用範囲を拡大することだ。パプアニューギニアでは1954年以降、死刑は執行されていない。改正後の死刑の方法としては、「薬物注入や電気椅子より人道的で安価だ」として、銃殺刑を検討しているという。

 また、「魔術法」廃止に伴い、今後は魔術を行ったことを理由にした「処刑」行為は、通常の殺人と同様に裁かれることになる。1974年に制定された「魔術法」は、敵を陥れるために悪用されているとして国際社会が撤廃を求めていた。

 パプアニューギニアでは今年に入ってから、魔術で殺人を行ったとして20歳の女性が火あぶりにされたり、高齢女性が斬首される事件が発生。外国人女性を標的とした集団レイプが相次ぐなど、女性が犠牲となる事件が頻発している。世界各地の人権団体などから改善を求めて100を超える請願書がパプアニューギニア政府に寄せられていた。

 法改正は5月末の議会での承認を経て発効する見込み。(c)AFP