【4月22日 AFP】米ボストン・マラソン(Boston Marathon)爆発事件の容疑者兄弟の父親が、22日のインタビューの中で、息子2人は無実であり、爆発事件を実行していないと語った。

 兄弟の父親であるアンゾル・ツァルナエフ(Anzor Tsarnaev)さんはコムソモリスカヤ・プラウダ(Komsomolskaya Pravda)紙の取材に対し、息子のタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者(26)とジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)容疑者(19)は、ロシアに戻って仕事をする将来像を描いていたと語り、2人の息子は米国で「学び、働いていた」と述べた。

「私はテレビで放送されていることしか知らない。アラーが許してくださるのなら、アメリカに行って息子に会いたい」(アンゾル・ツァルナエフさん)

■「爆発事件はFBIの画策」

 アンゾルさんがタメルラン容疑者に最後に話したのは、爆発事件後のことだった。自分が容疑者になったことを電話で告げられたと語っていたという。

 事件は米連邦捜査局(FBI)の画策したものだとアンゾルさんは述べ、FBIが「タルメランを常に監視下に置いていた」と主張した。

「(FBIは)タメルランとジョハルが、ちょうど悪い時間に悪い場所にいるよう仕組んだに違いない」

「やつらが息子たちに発砲し始めたとき、タメルランはジョハルを学校に送るところだった」とアンゾルさんは主張する。「これは仕組まれた、政治的な指令による、ハリウッドショーだ」

■兄は「高潔なイスラム教徒」、弟は「優等生」

「タメルランは何度か職を変えた。郵便配送、タイヤ交換、ボクシングのトレーナーもやり、この数か月はベビーシッターだった。タメルランの妻は働いていたので、彼は3歳の子どもといっしょに家で過ごしていた。彼女は体の不自由な人々の世話をしていた」

 タメルラン容疑者は今年1月、25歳の誕生日を過ぎた後にロシアを最後に訪れたという。だが、タメルラン容疑者は現在26歳、アンゾルさんは去年のことを話していたと思われる。

「(タメルランは)帰りたくない、家族をこっちに連れてきたい、と言っていた。彼はボストン(Boston)で有名なボクサーだったけど、米国が好きじゃなかったようだ」

 また、タメルラン容疑者がイスラム過激思想を信じていたことをアンゾルさんは否定した。

「タメルランは結婚後に宗教的になった。毎週金曜日にモスクに行き、1日5回礼拝するようになった。彼は高潔なイスラム教徒だった。かけられている容疑のようなことをやれるはずがない」

 一方、ジョハル容疑者については、「ケンブリッジ(Cambridge)の優等生だった。プールの監視員として働き、大きな夢を持っていた。医師になり、事業を始めて、帰国することだ」と語った。

「(ジョハルは)こう言っていた。『父さん、心配するな。ぼくが勉強を終わらせてこっちに来るよ。父さんを手伝うよ』と」

(c)AFP