【4月22日 AFP】米ボストン爆発事件のジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)容疑者(19)が警察との銃撃戦で重傷を負って話せない状態が続くなか、死亡した兄のタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者がイスラム過激思想に傾倒していた可能性に注目が集まっている。

 タメルラン容疑者は2011年に米連邦捜査局(FBI)から事情聴取を受け、2012年にはイスラム武装勢力の活動が活発な北カフカス地方に6か月間滞在していたにもかかわらず、なぜ野放しになっていたのかという点が指摘され始めた。

 米下院国土安全保障委員会で委員長を務めるマイケル・マコウル(Michael McCaul)議員はCNNテレビの番組「State of the Union」で「その6か月間の間に(イスラム過激派による)訓練を受けたと思う」と語った。同じ番組に出演していた共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員も、「監視の目を離してはいけない人物だったのに、間違いを犯した。法体制が不十分なのか、FBIの失態かはわからないが、とにかく私たちはイスラム過激派との戦争にあり、現状を改善しないといけない」と述べた。

 一方、病院に搬送された弟のジョハル容疑者はいまだに「深刻な容体」で、尋問できる状態ではないという。ただし捜査当局によれば、回復したときに備え、重要容疑者の尋問を専門とする特別捜査官たちが待機中だ。当局は同容疑者に対し、「公共の安全」に関わった場合の例外措置として、黙秘権や弁護士の立ち会いなどの権利を認めない方針を固めたと報じられている。(c)AFP