【4月18日 AFP】キューバのグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地内の施設にテロ容疑者として身柄を拘束されている収容者たちが、2月からハンガーストライキを実施している。食事を拒否する収容者の数は日を追って増え、17日現在で全収容者166人の3分の1近い52人に達している。

 グアンタナモのテロ容疑者収容所には、米政府の「テロとの戦い」で身柄を拘束されたテロ容疑者たちが収容されている。収容所報道官のロバート・デュランド(Robert Durand)大佐によると、ハンストを実行中の52人のうち、15人に対しては施設側がチューブで流動食を投与する経管栄養を行っているという。

 先週12日の時点では、食事を拒否していたのは43人で、経管栄養を受けていたのは11人だった。うち3人について現在、病院で健康状態を観察しているが、命にかかわる状態ではないという。

 被収容者の代理人を務める弁護士らによると、ハンストは2月6日に始まった。収容所当局がイスラム教の聖典コーランを禁止して持ち物検査を実施したことが発端だという。一方、当局はコーランを不当に扱ったことはないと否定している。

 弁護士らによれば、グアンタナモ収容所で「重要度の低い」テロ容疑者を収容している第6キャンプでは、約130人いるとみられる被収容者の大半がハンストに突入。多くは、起訴されることも裁判にかけられることもないまま11年間、収監され続けていることに抗議しているという。

 一方、法的権利擁護団体「コンスティテューション・プロジェクト(Constitution Project)」は16日、ハンスト参加者への経腸栄養措置について、「被収容者に対する強制栄養は虐待の一形態であり、中止しなければならない」と非難している。(c)AFP