【4月15日 AFP】フィリピンで14日、国営フィリピン通信(Philippines News AgencyPNA)のウェブサイトが一時的に何者かにより改ざんされる被害が発生した。フィリピン当局の高官は中国のハッカーによる犯行とみている。昨年、中国とフィリピンの間で領有権問題が過熱した際にもサイバー攻撃があり、同様の犯行の可能性がある。

 PNAのサイトには、中国の国旗と「中国のハッカー、イービルシャドー(EvilShadow)チーム、われわれは悪の影。われわれはチーム。われわれは自身の尊厳を持つ中国ハッカーLxxker」という内容のメッセージが一時的に表示された。

 今回の攻撃の背後に中国人ハッカーがいるかどうかという質問に対し、大統領報道官のアビゲイル・バルト(Abigail Valte)氏は、捜査は継続中だが「サイトに残されたメッセージを見ると、そのような結論を招きがちだ」と述べた。

 政府報道官のエルミーニオ・コロマ(Herminio Coloma)氏は、ハッカーのグループが今回の攻撃の情報を米SNSフェイスブック(Facebook)を通じて共有したと語った。

 コロマ氏は記者会見で「PNAのサイトは現在、正常運用に復帰している」と述べたが、サイトがどのくらいの時間停止していたかについては明言しなかった。またコロマ氏は、当局がハッカー・グループの追跡捜査を進めており、今回の攻撃を受けてサイバーセキュリティーを強化したと述べた。

 今回のハッキング攻撃の数日前、フィリピン領海内であるスルー海(Sulu Sea)の保護区域のサンゴ礁に座礁した船舶から、密漁していたとみられる中国人12人の身柄が拘束されている。中国とフィリピンは南シナ海(South China Sea)の領有権をめぐり関係が悪化しており、この密漁事件で2国間関係がさらに揺らぐ形となった。

 フィリピン政府は昨年、複数の政府機関ウェブサイトに対するサイバー攻撃を、中国のハッカーによるものとして非難している。サイバー攻撃は、フィリピン本島ルソン(Luzon)島近くの南シナ海に位置する一群の岩石露頭、スカボロー礁(Scarborough Shoal、中国名:黄岩島、Huangyan)をめぐる両国のにらみ合いの間に起きた。(c)AFP