【4月8日 AFP】南太平洋のパプアニューギニアの村で先週、高齢女性2人が魔術を使ったとして、3日間にわたる拷問の末に首をはねられて公開処刑された。地元紙が8日、報じた。

 地元紙ポストクーリエ(Post-Courier)によると、現場には警察官が駆け付けたが、感情的になった多数の群衆を前に処刑を止められなかったという。ブーゲンビル(Bougainville)州の警察当局者は、同紙に対し「警察は無力だった。なす術がなかった」と語った。駆け付けた警察官らが2人を解放するよう交渉したが、逆に命の危険を感じる状況だったという。

 この当局者によれば女性らは、最近死亡した元教師を魔術で殺したと疑われ、遺族らに2日に身柄を拘束された。2人は縛られてこの元教師の出身地であるLopele村に連れていかれ、3日間にわたってナイフや斧で傷つけられた後、公開処刑で首を切り落とされたという。

 パプアニューギニアでは数日前にも、魔術を使ったと疑われた女性6人が、熱いアイロンを押し付けられて虐待される事件が起きたばかり。また3月には、20歳の女性が魔術を使ったとして火あぶりの刑で公開処刑されている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、同国における魔術をめぐる暴力を止めるよう訴えている。(c)AFP