【3月26日 AFP】インド南部に位置するハイテク産業の中心都市バンガロール(Bangalore)ではこのほど、ドライバーの交通ルール順守を目的に、切り抜いた等身大の警察官の写真をボール紙に張り付けた「ボール紙警官」が投入された。写真を見たドライバーが本物の警察官と勘違いし、どこを運転しようと交通当局の目からは逃れられないと思いこませようというわけだ。

 自動車所有率はさほど高くないインドだが、交通事故による死者数は増える一方だ。不十分な取り締まりにドライバーの未熟な運転レベル、さらには整備の行き届いていない道路事情も相まって、インドは世界有数の交通事故大国となっている。

 多くのインド人ドライバーは警察官が見てる時だけ交通規則を守る──そう語るのは、バンガロール警察の警視総監M・A・サリーム(M.A. Saleem)氏。「都市部のドライバーたちは、たやすく交通規則を破る。警官がいないと判断すると信号は無視するし、一方通行路も逆走するといった具合です。しかし、あらゆる場所を同時に見張ることはできません」と苦言を呈した。

 そこで登場したのが、等身大写真の段ボール警察官だ。「これは非常に効果的です。週7日の勤務も可能ですよ」とサリーム氏は説明する。こうした「段ボール警官」は犯罪防止対策として英国や北米では、よく用いられるというがインドでは初めての試みだという。

 バンガロールでは、これまで計「3人」の段ボール警官が市内の主要道路に配置されたが、このうち「1人」は前週盗難に遭い、その行方が分からなくなってしまった。今後は盗難防止のため、日没後は段ボール警官を路上から回収することを決め、さらには10体の「増員」計画もあるという。

 地元テレビ局は、「いいアイデアだと思いますよ。遠くから見れば本物の警官に見える」といったドライバーの声を伝えている。なかには、すでに2~3回だまされたというドライバーもいて、「本物の警官が立っていると思ってスピードを落としちゃったよ」とのコメントを寄せている。(c)AFP