【3月18日 AFP】衝撃的な性犯罪が相次いでいるインドで15日夜に起きたスイス人女性旅行者への集団暴行事件で、インドの警察当局は17日、犯行を自供した地元の20代の男5人を逮捕したと発表した。

 この女性(39)は、インド中部のマディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州を夫(30)と自転車旅行中に、町外れの森林でテントを張っていたところを襲われた。警察によると、男らは夫を縛り上げ、女性に性的暴行を加えて、さらに夫婦から金品を奪ったという。

 地元警察官によると、逮捕された5人は20~25歳の、読み書きができない小規模農業従事者だという。6人目の容疑者は19歳で、隣接するウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州で身柄を拘束し、同地区へ連行中だという。同警察官によると、「男らは通りがかりにテントを設営中の夫婦を見かけ、女性を襲って暴行することを思い付いた」のだという。

 スイス外務省は16日、この「悲劇的な事件」に強い不快の念を表明する声明を発表した。同外務省は先月、インドを旅行するスイス国民に向けて、インド全土で性的暴行事件が増加中で、男女問わず大勢のグループで地元のガイドと共に旅行するよう警告・要請する注意書を出していた。

 逮捕された男5人は強姦と強盗の罪に問われる。6人目の容疑者も同様の罪に問われる見込み。インドの法律では、警察への自白は強要されたもので信頼性がないとみなされており、検察官が証拠として提出する自白は、ほとんど排除されている。今回の事件でも、容疑者らの自白が証拠採用される可能性は低い。インド内閣で先週承認された新法案の下では、強姦犯は20年以上の禁錮刑が科され、被害者が死亡もしくは植物状態に陥った場合は死刑に処される。(c)AFP/Ammu Kannampilly