【1月25日AFP】国際的なハッカー集団アノニマス(Anonymous)が行った米オンライン決済サービスのペイパル(PayPal)などへのハッカー攻撃をめぐる判決公判が24日、ロンドン(London)の裁判所で開かれ、ハッカー2人に禁錮刑が言い渡された。

 2人のうち1人はクリストファー・ウェザーヘッド(Christopher Weatherhead)被告(22)。昨年12月の裁判で、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」のウェブサイトへの決済サービスを拒否したペイパル、マスターカード(MasterCard)、ビザ(Visa)などの会社に対しハッカー攻撃を繰り返した罪で有罪判決を受けていた同被告には、禁錮1年6月の刑が言い渡された。

 もう1人はアシュリー・ローズ(Ashley Rhodes)被告(28)で、2010年8月1日から11年1月22日の間に同様の行為を働いたとして起訴され、罪を認めていた。同被告には禁錮7月が言い渡された。

 この事件では別の2人も起訴されているが、うち1人は関与の度合いが低いとされ、執行猶予半年の判決を受けた。残る1人は近く判決が下される。

 ペイパルは2010年12月、ウィキリークス向けの集金組織「ワウ・ホランド財団(Wau Holland Foundation)」への決済処理拒否を決めたのを機に、たび重なるハッカー攻撃を受けた。検察側によると、攻撃により失われた取引の額や、同様の攻撃を防ぐためソフトウエア・ハードウエアの改良にかかった費用を合わせた総被害額は350万ポンド(約5億円)に達したという。

 一連のハッカー攻撃では、標的となった企業のコンピューターシステムが過剰な負荷によるまひ状態に陥ったほか、ウェブサイトが「お前はアノニマスの手をかもうとした。蜂の巣を突き、今度はお前が刺される番だ」と書かれたページに誘導された。(c)AFP