【12月7日 AFP】フランス南西部の町イブラック(Yvrac)で、ロシア人富豪に買い取られた18世紀の邸宅が取り壊され、地元住民たちの怒りを買っている。所有者のドミトリー・ストロスキン(Dmitry Stroskin)氏は、雇った建設業者の手違いだと弁解している。

 地元当局によると、取り壊されたのは「シャトー・ドゥ・ベルビュー(Chateau de Bellevue)」と呼ばれていた邸宅。「美しい眺めの館」というその名の通り絵になるたたずまいの館だったが、ストロスキン氏に雇われたポーランドの建設業者により先月26日、27日の2日間で解体されてしまったという。

 ストロスキン氏は、この館を別荘にしようと2010年に購入。「素晴らしい改修計画」を地元自治体に提案し、外観の改装とプールハウス建設の許可を得て、ポーランドの業者に作業を委託していた。

 ストロスキン氏は地元紙「スッド・ウエスト(Sud Ouest)」の取材に、邸宅の隣にあった小屋を解体するよう依頼しただけなのに業者が間違えたと弁明。邸宅を取り壊すつもりは全くなく、「私もショックを受けている」と述べ、以前と全く同様に建て直す予定だと語った。

 だが地元住民は、ストロスキン氏が以前から邸宅の基盤の深さに懸念を示していたことを指摘し、意図的に取り壊したのではないかと疑っている。地元当局は、邸宅の解体と既に始まっている再建作業について、建築基準法違反で検察に告訴した。再建作業は、邸宅を解体したのと同じ業者が行っている。(c)AFP