【12月3日 AFP】香港キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)の客室乗務員が、航空機に搭乗したタイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の娘にコーヒーをかけようとしていたことが明らかになり、同航空では3日、調査を開始したと発表した。タイでは国を二分した政治的混乱と対立が長年続いており、その渦中にはタクシン元首相の存在がある。

 香港英字紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post、南華早報)によると、香港発バンコク(Bangkok)行きの便に乗ったキャセイ航空の女性客室乗務員が、シナワット元首相の3人の子どものうちの1人、Paetongtarnさんが同じ航空機に搭乗していることを知り、「コーヒーをかけたい」と上司に相談したという。

 この客室乗務員は米SNSフェイスブック(Facebook)で、「私は即座に、敵の娘が機内に乗っていることを知りながら仕事をすることなど不可能だとフライトマネージャーに伝えた」と述べ、また「私はパーソナルアドバイザーを呼んでPaetongtarn(さん)にコーヒーをかけても問題ないか聞いたけれど、香港の法律に抵触する恐れがあると告げられた」ことも明らかにした。

 また、ポスト紙によると、女性客室乗務員はPaetongtarnさんの乗った便の乗客名簿を写真撮影してインターネットに投稿していた。報道によると、この出来事を聞きたPaetongtarnさんは、「不快だ」とソーシャルメディアで述べたという。

 キャセイ航空は、11月25日のフライトにおける「不祥事の疑惑」を調査中と発表している。(c)AFP