【11月6日 AFP】米ペンシルベニア(Pennsylvania)州ピッツバーグ(Pittsburgh)の動物園で幼児がイヌ科の肉食獣リカオンの展示舎内に転落して死亡した事件で、動物園広報は5日、幼児に傷を負わせ死なせたリカオンを殺処分にはしない方針を決めたことを明らかにした。

 ピッツバーグ動物園(Pittsburgh Zoo)広報担当者のトレーシー・グレー(Tracy Gray)さんは、AFPの取材に「リカオンは30日間隔離することになる」と語った。

 事件は4日に起きた。柵の上に立っていた幼児が体勢を崩して転落し、防護網に跳ね返ってリカオンの展示舎内に落下した。

 動物園のバーバラー・ベーカー(Barbara Baker)園長は記者会見で、「危険過ぎたために」近くにいた職員が展示舎内に立ち入ることができず、警察官と武器を持った飼育員が到着して初めて中に入ることができたと語った。中でも「攻撃的」だった1頭は、警察官によって射殺された。

 同動物園は5日を休園日としたが、6日には再開する予定。

 野生生物保護団体のワイルドライフ・コンサーベーション・ネットワーク(Wildlife Conservation Network)によると、リカオンは生息地が開発などによって奪われ急激に数を減らしており、野生では現在3000頭ほどしかいないとみられるという。(c)AFP