【10月4日 AFP】カナダの警察は1日、わずか2週間前に結婚した夫の毒殺を図ったとして、77歳の女を殺人未遂容疑で逮捕した。

 カナダ最東端の州、ノバスコシア(Nova Scotia)州ケープブレトン(Cape Breton)の警察により逮捕されたのは、ミリー・ウィークス(Millie Weeks)容疑者(77)。メリッサ・フリードリック(Melissa Friedrich)の別名を持つ同容疑者は、これまでにもカナダや米国で妻を亡くした男性と次々と結婚しては、相手を殺害したり金をだまし取った罪などで数年にわたり服役している。一部メディアは女を「インターネットのブラック・ウィドー(黒の未亡人)」と呼んでいる。

 今回の逮捕は、容疑者の夫のフレッド・ウィークス(Fred Weeks)さん(75)が前月30日に運び込まれた病院の医師らによる通報がきっかけだった。フレッドさんの容態は回復に向かっているという。

■数々の前科

 ミリー・ウィークス容疑者は1991年、当時夫だったゴードン・スチュワート(Gordon Stewart)さんに薬を盛ったうえ、ノバスコシア州ハリファクス(Halifax)付近の路上で繰り返し車でひいた罪で、禁錮6年の有罪判決を受けた。

 刑期を短縮して釈放された後、米フロリダ(Florida)州に移住した同容疑者は、キリスト教の修養会で出会ったロバート・フリードリック(Robert Friedrich)さんと2000年に結婚。だがその後、フリードリックさんの体調は悪化し始め、02年に心臓発作で亡くなった。フリードリックさんの銀行口座からは預金が消えていたという。

 数週間後、ウィークス容疑者はインターネットの出会い系サイトで当時73歳だったアレックス・ストラテゴス(Alex Strategos)さんと出会った。2人は一緒に暮らし始めたが、同棲初日にストラテゴスさんは頭などにけがをして入院。以降2か月の間に同様のけがによる入院をあと7回繰り返した。

 ストラテゴスさんの体内からは薬物が見つかり、銀行口座の預金が全て引き出されていたことが分かり、ウィークス容疑者は窃盗と文書偽造の罪で有罪判決を受けた。フロリダ州で5年間服役した後は、2009年にカナダへ強制送還されていた。(c)AFP