【9月5日 AFP】ベネズエラ南部国境沿いのアマゾン地域で7月、先住民族のヤノマミ(Yanomami)人80人がブラジルから不法入国した金の採掘業者に虐殺された疑いが強まっている。ベネズエラ政府は、調査を行ったうえでそのような事実はなかったと断定したが、非政府組織(NGO)などは事実であると強く訴えている。

 ベネズエラの複数の閣僚によると、政府の調査団が8月31日に辺境地域を訪れているが、事件が起きたことを示す証拠は見つからなかったという。これに対し、複数の先住民族のとりまとめを行う団体「COIAM」は、検察当局と軍警察の一団は虐殺現場を訪れておらず犯罪の有無を確認できる立場にないと主張。政府に調査の継続を要求した。

 ロンドン(London)を拠点とする先住民支援組織「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」によると、ヤノマミの集落に到達するには徒歩で5~6日間かかるため、調査団がこの期間内に現地までを往復した可能性はないとした。ロンドンで4日に行われたAFPの取材で同団体のフィオナ・ワトソン(Fiona Watson)調査ディレクターが述べた。

 一方、ベネズエラのルイサ・オルテガ(Luisa Ortega)検事総長は、遠方の集落2か所へ向かった調査団の帰還を依然待っているところだと説明している。(c)AFP