【8月30日 AFP】チーター2頭に今度はオオヤマネコ1頭――オーストリア、ザルツブルク動物園(Salzburg Zoo)で相次ぐ動物の「脱走劇」に近隣住民からは不安の声が挙がっている。

 雄のオオヤマネコ「Vivious」は26日、飼育員の見ている前で高さ3メートル半のフェンスを越えて脱走し、29日になってようやく捕獲された。通常、このフェンスには電流が流されているが、直前の嵐で機能しなくなっていたという。

 6月にも、チーター2頭が脱走している。2頭は無事に捕獲されたものの、1か月後に再び1頭が逃げ出し、間もなく施設に戻されたという。

 この動物園ではトラやヒグマ、ジャガー、サイ、ピューマ、そしてライオンも飼育されているため、相次ぐ動物の脱走に地元住人は「今度は何が脱走するか」と不安を隠せない。

 専門家からは嵐が通過した後の設備点検の甘さが指摘されているだけでなく、検察当局が捜査に乗り出す事態にも発展しているという。

 動物園の近くに住み、6月に脱走したチーターと出くわしたという女性は、29日の日刊紙クリア(Kurier)に対し次のように語った。

   「近所の庭には(アフリカに生息する)レイヨウが現れたそうです。私の息子も15年前、脱走したオオヤマネコと遭遇しました…次に逃げ出すのがトラでないことを願うばかりです」

 動物園側は、最新式のフェンスや、電流が切れたことを知らせる新しいシステムを導入するなど改善策に取り組んでいるという。

 一方、同国南部のケルンテン(Carinthia)州では、前週に2人の子どもが目撃したワニの捜索が続いている。2人は川で水遊びをしていた時にワニに襲われたといい、靴と衣服には歯の跡が残されていた。専門家の1人は、子供たちの主張は信頼できるものだと話している。(c)AFP