【8月13日 AFP】再選を目指していた米国の保安官が2009年、交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)で対抗候補に「いいね!(Like)」をクリックした職員6人を解雇したことが言論の自由を保障した米憲法に照らして合法かどうかを問う上訴審が、米バージニア(Virginia)州ニューポート・ニューズ(Newport News)市で来月予定されている。

 B・J・ハンプトン(B.J. Hampton)保安官は「職務能力が不十分」という理由で6人を解雇し、6人は解雇は違法だとして訴訟を起こした。米地裁は今年、フェイスブックで「いいね!」をクリックすることは、合衆国憲法第1修正(the First Amendment of the Constitution)の保護に値する言論としては不十分だとして、解雇は違法ではないと判断した。

 米国自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)は前週、フェイスブックで「いいね!」ボタンをクリックするのは「政治集会でプラカードを掲げるのと同じ」で、合衆国憲法が保障する自由な言論の一形式だと主張した。「これは言葉による表現であり、象徴的表現でもある。『いいね!』ボタンをクリックするという行為は、その対象を支持、承認、もしくは好んでいることを他者に対して表明するということだ」

 フェイスブック自体も議論に加わり、「いいね!」ボタンは「21世紀において、庭先に設置した(政治)運動の看板と同じ」で、対話や議論を起こすことを意図した機能だと述べた。

 ACLUのケイト・ウッド(Kate Wood)弁護士は9日、AFPに対して「法律が新技術の出現に追いつくことが肝心」とコメント。個人がどのような方法で考えを表明したとしても「合衆国憲法第1修正はあらゆる人を保護すると確信しています」と付け加えた。(c)AFP