【6月28日 AFP】ドイツ西部ケルン(Cologne)の地方裁判所は26日、宗教上の教義に基づき男の子に割礼を行うのは重傷害に当たるという画期的な判断を下した。同国のユダヤ教徒らは「親が持つ信仰上の権利の侵害だ」と強く反発している。

 被告は両親の意向で4歳のイスラム教徒の男の子に割礼を施したケルン市内の医師。手術から数日後に大量に出血したため両親が病院に運び、検察は重傷害の罪で起訴していた。

 一審は両親の同意の下で行われた手術は法の範囲内の行為だとして無罪判決を言い渡していた。今回の控訴審で裁判所は男の子の割礼を「重傷害」とする検察側の主張は認めたものの、割礼の法的な位置づけがあまりに混乱しているという一審とは異なる理由で無罪判決を出した。

 判決文は「子どもが持つ身体の完全性という基本的権利は、親の基本的権利よりも尊重され」、「子どもが割礼をするか否か自分で判断できる年齢まで待たされたとしても、親の信教の自由と子供を教育する権利を容認できないほど損なうとは言えない」とも指摘した。(c)AFP