【5月3日 AFP】オーストラリアで酒に酔って水族館からペンギンを盗み出した英国人2人が2日、不法侵入、窃盗、保護動物を拘束した罪で有罪判決を受け、それぞれ罰金1000豪ドル(約8万3000円)を支払い釈放された。

 いずれもウェールズ出身の元英国海兵隊員のリース・オーウェン・ジョーンズ(Rhys Owen Jones)被告(21)とその友人でれんが職人のケリ・ミュールズ(Keri Mules)被告(20)は、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在していた。

 両被告は3月、大量のウオツカを飲みクイーンズランド(Queensland)州ゴールドコースト(Gold Coast)の水族館「シーワールド(Sea World)」に忍び込んだ。サウスポート(Southport)の治安判事裁判所での公判で、2人はイルカの水槽で泳ぎ、サメが展示されている場所にあった消火器を噴射させ、さらにペンギンの「ダーク(Dirk)」を盗んで水族館を去ったことが明らかにされた。

 豪AAP(Australian Associated Press)通信によれば、ペンギン柄のネクタイで法廷に現れた弁護人ビル・ポッツ(Bill Potts)氏は両被告に悪気はなかったと訴えた。弁護人は、事件の翌日に二日酔いと共に目覚めた2人は部屋にペンギンがいるのに気付き、パンを与えたりシャワーを浴びさせたりといった世話をしようとしたと説明し、「両被告は不十分ながらも最大限ペンギンの世話に努めた」と主張した。

 弁護人によれば罪を認めた2人は自分たちの行いを後悔しており、事件が世界的に報道されたことを深く恥じているという。判決を言い渡したブライアン・クックス(Brian Kucks)判事は、酔ってホッキョクグマの柵の中に落ちなかった両被告は運が良かったと述べた。

 AAPが裁判所から伝えたところによれば、裁判官は両被告に対し「違う柵に入り込んでいたら、今頃は死体安置所にいたかもしれない。次にパーティーをするときは、2人ともウオツカの量を控えることだろう」と述べたという。(c)AFP

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