【4月16日 AFP】前年7月にノルウェーで77人を殺害したアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)被告(33)の初公判が16日、オスロ(Oslo)地裁で開かれ、ブレイビク被告は無罪を主張した。

 スーツに金色のネクタイ姿で出廷したブレイビク被告は挑戦的な態度を示し、手錠を外されると右の拳を胸に当ててから前方に突き出す「敬礼」をして見せた。この「敬礼」について同被告は、犯行前にインターネット上で公開した1500ページ以上に及ぶ「宣言」の中で、極右組織「テンプル騎士団(Knights Templar)」の敬礼だと説明している。

 続けてブレイビク被告は、自身を「作家」だと主張。「私はノルウェー法廷を認めない」と述べ、判事らの合法性を承認できないとの姿勢を示した。

 さらに、77人を殺害した「行為については認めるが、犯罪としての責任は認めない。自衛だったと主張する」と述べ、罪状認否では無罪を主張した。ブレイビク被告は犯行について「残酷だが必要なことだった」と発言。単独で行ったことで、ノルウェー社会を多文化主義にし「イスラム教徒の侵攻」を許した「売国奴」に対する自衛のための行為だったと主張した。

 ブレイビク被告は2011年7月22日、オスロ市内で爆弾を爆発させ8人を殺害した後、同市郊外のウトヤ(Utoeya)島で開かれていた政治集会で銃を乱射して69人を殺害し、「テロ行為」などの罪で起訴されている。(c)AFP/Nina Larson

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